散歩

 意識を取り戻した少女の目にいっぱいの光が飛び込んで来た……。
 しばらくして目がなれてくるとあたりの状態が少女の目に入って来た。
 目がなれると、そんなにまぶしいほどの場所ではなかった。広々とした天井の隅には年代もののがランプが飾られ、そこから淡い光が出てる。たぶん、長い間、視界を奪われていたためにまぶしく感じたのだろう。
 明り取りのサンルーフからのぞく暗い夜の森の上空には美しい月が昇っている。
 部屋の中には大きなはクッションの効いたダブルベット、壁際にはちょっとした衣装箪笥がある。
 いつもの部屋……。
 そのダブルベットに少女は仰向けに横になっていた。
 目の前には黒いスーツ姿の男の楽しそうな顔が見える。仰向けに寝てちょうど真上を向いている少女の顔の真正面からうつむいて少女を覗きこんでいた。ベットに腰掛けているらしい。
 「うぅっ?」
 おぼろげながら自分の置かれた状態が少女にはわかってきた。
 先ほどまでの拘束のうち、ボールギャグ以外のものは取り去られていた。ただ、アームバインダーは外されたものの両方の腕は後ろに回されそれぞれを肘の部分で直角に曲げ両方の腕が並行になるようにして縛られている。そこからさらに前に回された縄が、少女の胸の上と下を通って二の腕ごと体を縛っている。小手高手縛りだ。
 少女は、ボールギャグと縄以外は何も身にまとっていなかった。
 その状態のままベットに寝かされ、男の膝に頭を乗せていた。つまり、男に膝枕をされた状態だ。男の右側に少女の体は横たわっている。
 男は少女を膝枕して、彼女の髪を左手で優しくくしげっていたが、少女が意識を取り戻したのを見るとうれしそうに微笑んだ。
 「やっとお目覚めかな?」
 少女を覗きこんだまま男が話し掛ける。
 「長かったよ。まあ、その間にあなたの可愛い寝顔を堪能させてもらったから退屈はしませんでしたがね」
 楽しそうに笑いながら男が囁く。
 呻き声も上げられないまま少女は視線をそらした。頬の部分が微かに熱くなる。
 男が静かに、左手を少女の首の下を回して左の肩に当て、右手を縄で絞られた胸の上を通して少女の左腰に当てた。そのまま右手に力をこめ少女の腰を自分の手元に引っ張り、左手は少女の左肩を上へと持ち上げる。少女の体は、ベットの上で上半身だけ起こした状態で男に横から抱きかかえられた。
 急に引き寄せられた反動か、少女の左足が大きなダブルベットから落ち、軽く両足が開いた。
 「むぅぅ……!」
 ボールギャグから少女の驚きの声がこぼれる。
 男がやや右側に体を倒し少女の躯に自分の体を近づけ、少女を抱きしめる両腕に力をこめた。少女の左腰に当てられていた男の右手は、そのまま少女の腰の中ごろへと伸ばされる。少女は、なすすべもなく抱きすくめられた。
 男の黒いスーツの生地が、鞭で打たれたあとが微かに疼く裸体に当たる。特に幼さの残る胸の部分にはたまらない刺激だ。少女の腰の中ごろ、臀部との境界のあたりに回された男の腕を包むスーツの袖も、少女の体に微妙な刺激を与えている。
 「ン……! んぅ……」
 「ほんと、こんな風に抱きしめてしまいたいほど可愛かったですよ」
 少女がうめきをもらすのに重なるように、男が少女の肩に顔を寄せ、耳元に言葉をささやく。そしてそのまま少女の耳をぺろっとなめた。
 「んんっ! うぅぅっ!」
 少女の背筋がそりかえり、男の腕の中で激しく悶えた。少女のその反応は男の衣服と自分の縛られた躯の摩擦を余計に強く感じさせる結果となった。
 「さて、そろそろいいかな……。立ってもらえますか?」
 男が少女を抱きしめていた両手を離し、彼女の両肩に手を当てて彼女を立たせた。中途半端な状態で少女が刺激から解放される。
 「うぅ……」
 少女は戸惑いつつも立ち上がり、小さくうめく。
 そんな彼女を見ながら男がにやリと笑う。
 「はしたない子ですね……」
 にやリと笑ったまま、男が、からかうように少女にむかって話し掛ける。そうしながら、男の右手は少女の裸体をすべり、下半身に伸びて股間を軽くなでた。
 少女の体がビクンと震える。男の指には透明の液体がまとわりつく。
 「こんなに濡らして……。締りがないですよ」
 楽しそうに男がしゃべりながら手についた液体を少女ヘソのあたりに塗りつけた。
 「んんんっ……」
 少女は、いやいやするように首を横に振った。
 「締りがないここには栓をしてあげましょう」
 少女の反応を無視し、男が、にこやかにそう宣言した。そのまま男は少女の肩を抱き、引きずるように壁際の衣装箪笥の方へと連れていく。
 男を見上げ、上目遣いで必死に何を訴えようとする少女。力なくかすかに首を振り、許しを請うているようにも見える。しかし、その反応に男は逆に嬉しがっているようだ。
 やがて少女は衣装箪笥の前に引き据えられた。
 男が、衣装箪笥の引出しを引き、中からバイブレーターを取り出す。コードレスで、遠隔操作で動きを変えるそのバイブレーターは、大きさ自体はおとなしめの小さな物だ。
 「さあ、足を開いて」
 男が少女に命令する。傍らに立つ少女の足は、きっちりとそろえられまるで体育の時の気を付けの姿勢のようだ。
 少女が、いやいやと首を振り足を開くのを拒んだ。
 男が黙ったまま少女を見つめる。ただ、いやいやと首を振り立ち尽くす少女。
 少しの間、沈黙が辺りを支配した。
 「私に、二度同じ事を言わせるつもりですか?」
 しばらく時間がたってから、男がにこやかに微笑みながら少女に問い掛ける。しかし、その目はけして笑ってはいない。
 左右に振られていた少女の首が止まり、顔をわずかにあげ、上目遣いで男の顔色をうかがう。やがて、少女はコクンとうなずき、おずおずと足の先を肩幅まで開いた。
 「よし、いい子だ」
 男が声をかけながら少女の髪を優しく2、3回なでた。
 男の思いがけない優しい反応に少女は安堵の溜息を漏らす。
 ……が、それを見計らったように、男が少女の体内に一気にバイブレーターを挿しこんだ。
 少女の躯がのけぞり、小さな呻き声がボールギャグの隙間から漏れた。しかし股間を濡らす液体のおかげでバイブレーターは簡単に中に入っていく。
 「こいつを、いれたままにしておくんですよ。落したら罰を与えますよ」
 バイブレーターを押しこんだ手をそのまま少女の秘所にあてがい、軽くクリトリスを弄りながら男が少女の耳に囁く。男の指は、巧妙に力が加減され、少女は感じすぎない様に責められている。
 少女は、目をつむり、躯を震わせながらもコクンと小さくうなずいた。
 男の玩弄に耐えるため目をつぶり、必死にこらえていても、躯の中から何かが沸きあがってくるようだ。
 男の方から何かがさごそという音が聞こえた。男が何かを取り出しているのか? が、それが何かを確かめようとするだけの余裕は今の少女にはなかった。
 男のクリトリスをなぶっていた手が、そのまま下から後ろの方に伸ばされる。男の手が、少女の体液を後ろの穴の回りに塗り始めた。
 「うぅ……」
 後ろの穴に感じた男の指の感覚に、目を開いた少女が、不安そうに男の顔を見る。
 「前だけでは寂しいだろ?」
 男は、笑いながらそう言うのと、少女の後ろの穴に衝撃が走った。
 息が詰まる。
 穴の回りに塗られた少女の体液を潤滑油代わりにして一気に何かが挿しこまれたらしい。
 「うぐぅっ!」
 少女の縛られた躯がビクンと大きくのけぞる。とっさに男が抱きかかえなければ、バランスを崩して倒れていたかもしれない。そのまま小刻みに少女は震えた。
 男は少女が落ちつくまで抱きしめてやリ、体の震えが止まるのを待って手を離した。
 「大丈夫かい……?」
 男が少女に優しく話し掛ける。
 男の言葉に小さくうなずく少女。
 この時になってやっと、少女は自分の体内に埋めこまれたもう一つの存在が、中ぐらいの大きさのアナルプラグであると気づいた。痛いぐらいの存在感をアナルプラグが少女に送りこんで来る。
 「でも、この太さでこれだと困るねぇ……。訓練ですね。明日は一日これを入れて生活してください」
 男は、少女に向かってそう続ける。
 少女は一瞬、体をこわばらせたが、すぐに男の方に顔を向け、哀しそうな表情でうなずいた。
 「よし、いい子だ」
 満足そうに男が呟く。
 それから男は衣装箪笥を開き、中からコートを取り出す。いつの間に移したのか少女がここまで着てきていたコートだった。
 「さあ、これを着て」
 男が少女にコートを羽織らせる。ボタンはかけず、小手高手に縛られた躯に羽織らせた後、軽く前を合わせるだけだ。何も着ていない素肌に羽織らされたコートは、少女の躯に接した部分に軽い刺激を送り込んでくる。
 その刺激を勤めて無視するようにがんばりながら、少女が不思議そうな顔で男を見つめた。
 いったい何をするつもりなのか?
 「今夜は冬月が綺麗ですからね。月見がてら散歩をしようと思いまして」
 男がにこやかな表情で少女に告げた。そして、再び衣装箪笥の引出しから何か白いものを取り出す。マスクのようだ。
 「あなたにも一緒に来てもらいます。さあ、これをつけて」
 男が花粉症用の大きなマスクを、ボールギャグを嵌めたままの少女につける。マスクのゴムひもを耳にかける時に、触るか触らないかの微妙な指使いで少女の耳を嬲るのも忘れない。少女が微かに体を振るわせる。少女が羽織っているコートがそれに合わせて揺れた。
 「ボールギャグのまま外に出るとさすがに目立ちますからね。これで遠目には大丈夫」
 男はそう言って少女の肩に手を回した。男は肩から腰に手を動かし少女を引き寄せるように抱きながら歩き始める。
 「うううぅっ! ううっ!」
 激しく首を振り、少女が否定の意を表した。
 少女の躯に羽織らされたコートがそれにあわせてゆれる。少しずつコートがずれて肩から落ちそうになった。
 「あんまり暴れるとコートが落ちますよ。裸のままで外をあるきたいんですか?」
 男の冷静な声が少女の耳に跳びこんで来た。
 凍りついたかのように少女が躯の動きを止めた。そして、ゆっくりと男のほうに顔を向け、泣き出しそうな表情で小さくかすかに首を振った。
 「解ってくれましたね? あなたがいい子でいる限り優しくしてあげますよ」
 少女に向かって男が静かに話し掛けた。
 少女が泣き笑いを浮かべ、男の顔を見つめた。そして、ゆっくりとまぶたを閉じる。
 男は少し乱れた少女のコートを優しい手つきで直してくれた。それから自分のコートを取りだし、袖を通した。
 「では、出発しましょうか? 靴はあなたが履いて来たショートブーツでいいですよね?」
 男は、もう一度少女の腰に手を回し、きつく抱きしめながら玄関に向かって歩き始めた。
 少女はもうそれに逆らえなかった……。